
前回の記事で、起業するときに簿記の勉強は必要??と書きました。
簿記って、シンプルに考えれば「帳簿をつける技術」なんです。なので、まったく知らないよりは知っておいたほうが、役に立つのは事実。最低限の知識として、簿記3級の入門書に目を通してほしいな、と思っています。
それに、経営・ビジネスって、結局、すべて数字に集約できるんですね。自分ひとりでやっているサロンさんであっても、スタッフをたくさん抱えているお店であっても、同じです。大きい会社になると取引の数も多いし、子会社があったりして複雑になるだけのこと。
1年間の営業成績(売上・利益)と決算時点での財産状況を、数字で表す。これが、決算という手続き。すべてのビジネスで、この手続きは必要です。
数字が苦手な経営者
先日、経営状態が悪くなっているお店の経営者さんとの面談で、
「先月の売上はどうでしたか?」と質問をすると、
「たぶん、去年よりも悪かったと思います」という回答・・・。
「悪いのは、どれくらい?」と続けて尋ねると・・・
「ん~~、たぶん●●万円くらい・・・」と歯切れの悪い回答。
こういう計数感覚(数字に対する感覚)では、立て直しが難しいんです・・・(T_T)
まずは、毎日の売上集計、前年同月との比較を記録することから始めていただきました。
ベテラン経営者の見事な計数感覚
たしかに、数字が苦手な経営者さんは多いです。
とはいえ、そう言われていても、
長年経営をされている経営者さんの計数感覚(数字に対する感覚)は見事・・・なケースもあります。
細かい経理や簿記のことはご存じでなくても、どんぶり勘定での経営に見えても、
これくらいの売上があり、利益率はこれくらい・・・という感覚を持っています。
そして、数字で確認してみると、ほぼ近いんですね。
これ、長年の経営者としての感覚がなせるワザだな~と感心します。
でも、起業したばかりの方は、こういう計数感覚は身についていませんよね。
どんぶり勘定でやっているとキケンです(>_<)
起業するなら、数字に強い経営者を目指す
数字に強いというと、計算が得意・計算が速い人を想像しがちですが、そうではありません。
先ほどのベテラン経営者さんのように、
自分のビジネスの数字を知り、活かす人が「数字に強い経営者」。
少なくとも、売上の状況・毎月の必要経費額・利益率の状態は常に把握しましょう。
まずは、この3つの理解から。
簿記の細かい知識はなくても、数字が苦手であったとしてもこの3つは理解してほしいんです。
- 損益計算書:1年間の営業成績を示すもの
- 貸借対照表:決算日の財産状況を示すもの
- 資金繰り表:お金の出入りの予定を記録し、必要なお金が足りているかをチェックするもの
損益計算書と貸借対照表は、「決算書」といわれるものです。
資金繰り表は決算書ではないのですが、日々の経営のなかで「お金が足りるか・足りないか」をチェックするための書類です。
次回は、損益計算書について、解説しますね。